【合同会社コラム】
合同会社を設立するには?
登記手続きのポイントをわかりやすく解説
出典:登記研究 2026年4月号(登記研究938号)/
1.合同会社とはどんな会社?
合同会社とは、会社法で定められた法人格を持つ会社の一種です。株式会社と同様に法律上の「会社」として認められており、設立するには法務局に登記申請を行う必要があります。
設立の登記は、定款(会社のルールブック)の作成手続きが終わった日から行うことができます。合同会社の場合、株式会社と異なり定款の公証人による認証は不要なため、社員全員が定款に署名・押印した日などが基準となります。
2.登記申請で必要な主な記載事項
法務局への申請書には、次の事項などを記載します。
| 商号(会社の名前) | 「合同会社」という文字を必ず入れる必要があります |
| 目的(事業内容) | 何のために会社を作るかを明確・適法に記載します |
| 本店所在地 | 最小の行政区画(市区町村)まで記載すれば足ります |
| 資本金の額 | 社員が実際に出資した金額の合計額 |
| 業務執行社員の氏名・住所 | 会社の業務を担当する社員の情報 |
| 代表社員の氏名・住所 | 会社を代表する人の情報 |
合同会社では、社員(出資者)のうち「業務執行社員」という役割の方が会社の運営にあたり、そのなかから「代表社員」が会社を対外的に代表します。
3.商号(会社の名前)について
会社名には一定のルールがあります。
- 商号には「合同会社」という文字を必ず含める必要があります。
- 使用できる文字は、日本語・ローマ字・アラビア数字・一部の記号などです。
- 銀行や証券会社などを連想させる名前は、実際にその業務を行っていない場合は使えません。
- 「投資運用業」を目的としない会社がその言葉を商号に使うことはできません。
4.目的(事業内容)を決めるときの4つのポイント
- 明確性:何をする会社かが誰でもわかるように書く必要があります。あいまいな表現では登記が受け付けられないことがあります。
- 適法性:法律に違反する内容や、公序良俗に反する事業を目的にすることはできません。
- 営利性:合同会社は営利法人ですので、事業を通じて利益を得ることを目的とする内容である必要があります。
- 具体性:目的の内容が具体的かどうかを審査されます。ただし、あまりに細かくなくても、一定の具体性があれば問題ありません。
5.業務執行社員・代表社員について
合同会社の業務執行社員と代表社員は、株式会社の取締役・代表取締役に相当する役割です。
- 社員が1人の場合:その方が自動的に業務執行社員かつ代表社員となります。
- 社員が複数の場合:全員が業務執行社員になるか、一部の社員だけがなることができます。定款で決めることが可能です。
- 法人が業務執行社員になる場合:その法人の「職務執行者」として実際に業務を担う自然人(個人)の氏名・住所も登記する必要があります。
代表社員が複数いる場合は、それぞれの方の氏名・住所がすべて登記されます。
6.本店・支店の登記について
本店(メインのオフィス)の所在地は登記申請書に記載します。本店と同じ登記所の管轄内に支店を設ける場合は、同一の申請書で一緒に登記することができます。
7.資本金(出資額)について
合同会社の資本金は、社員が実際に出資した金額の合計が基本となります。
- 出資の方法は金銭(現金)だけでなく、不動産・株式・その他の財産でも可能です(現物出資)。
- 資本金の額に制限はなく、1円からでも設立できます。
- 出資された金額のうち一部を「資本金」とし、残りを「資本剰余金」とすることも可能です。
- 有限責任社員の出資については、出資者の氏名・出資の価額(金額)も登記が必要です。
8.公告の方法について
会社は法律上、重要な情報を世の中に知らせる「公告」という手続きを行うことがあります。合同会社では、次のいずれかの方法を定款に定めます。
| ① 官報(かんぽう) | 国が発行する公式な機関誌に掲載する方法 |
| ② 日刊新聞紙 | 時事を報道する日刊の新聞紙に掲載する方法 |
| ③ 電子公告 | 自社のウェブサイトなどインターネット上で公開する方法 |
定款に特に定めがない場合は、官報による公告となります(株式会社と同様のルールが適用されます)。
9.申請のタイミングと登記の効力
合同会社の設立登記の申請は、設立の手続きが完了した日(定款作成・出資の履行が終わった日)から行うことができます。
なお、登記の効力は「登記が完了した日」から発生します。申請した日ではないことに注意が必要です。
【登録免許税(設立時の税金)について】 合同会社の設立登記にかかる税金は、資本金の額の1,000分の7で計算されます。この金額が6万円を下回る場合は、最低額の6万円が適用されます。
10.オンライン申請について
現在、法務局への登記申請はオンラインで行うことができます(電子申請)。オンライン申請では、申請データとともに印鑑の電子署名情報を送信します。
ただし、書面(紙)での申請も引き続き可能です。代表社員が登記所に印鑑を提出している場合は、その印鑑を使った書類での手続きが認められています。
※このコラムは、司法書士向け専門誌「登記研究」2026年4月号(938号)に掲載された合同会社の設立登記に関する解説記事をもとに、一般の方向けにわかりやすくまとめたものです。個別のご事情に応じたアドバイスは、司法書士にご相談ください。
