開業30周年を迎えて ―― 司法書士として歩んだ30年の軌跡
平成8年4月8日。あの日、私は司法書士事務所の扉を開けました。
あれからちょうど30年が経ちました。長いような、短いような、不思議な感覚です。
■ 激動の時代に生まれた事務所
開業した平成8年といえば、山一證券・拓銀の破綻、バブル崩壊の余波がもっとも厳しかった時期です。今思えば無鉄砲だったかもしれません。西東京市・東久留米市・小平市・東村山市・清瀬市の周辺地域でほぼ同時期に開業した同業者はもう誰も残っていませんが、おかげさまで私は何とか生き残ることができました。
当時の不動産登記は、銀行主体から不動産会社主体へ移り変わる過渡期でした。銀行をメインにした司法書士は徐々に案件が減り、不動産会社をメインにした司法書士は着実に件数を伸ばしていきました。当事務所は銀行案件に加え、税理士などの他士業からの依頼を中心に受けていました。
最初の印象深い仕事は、何年も放置されていた医療法人の資産総額変更の登記でした。司法書士試験にもほぼ出ず、実務でも未経験の分野。それがいきなり最初の大仕事になったのは、今でも鮮明に覚えています。
■ 破産・債務整理から、成年後見・相続へ
その後、一部の司法書士が破産事件を扱うようになると、私も地元でいち早く対応を始めました。当時は、申立書類の作成すら「非弁行為」と言われ、取引履歴の開示を断られることも多くありました。
やがて簡裁代理権が認められ、取引履歴の開示や過払い金返還請求も可能になりました。しかし「過払い金バブル」が過熱する前に、私は債務整理から撤退。(現在は、ご依頼があった場合のみ対応しています。)
その後、成年後見制度の創設とともに後見業務にも取り組み始め、遺言・相続、そして家族信託へと業務の軸を移してきました。
■ コロナ禍、そして新しい仲間たちへ
2020年のコロナ禍は大きな転換点でした。銀行が業務を本店に集約し、ネット銀行が台頭し、大手不動産会社も業務体制を変化させました。安定感という意味では、厳しい局面が続いています。
それでも今、遺言・相続を軸に、成年後見・家族信託を組み合わせることで、以前は取引先だと思いもしなかった方々とつながるようになりました。めーぷるやBNIを通じた新しい仲間との出会いも、大きな励みになっています。
あと10年から15年、まだまだ経験を積み続けていきたいと思っています。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
