【令和8年度税制改正】初めてマイホームを買う方が知っておきたい税金の変更点
不動産価格も上昇し金利も上がっているのでマイホームの夢が遠のいていく。西東京市、東久留米市、小平市も高くはなっていますが、東京23区や中央線沿線ほど上がっていない。「これからマイホームを購入しよう」と考えている方にとって、税金の制度は決して他人事ではありません。
令和8年度(2026年度)の税制改正では、住宅ローン控除をはじめ、不動産取得税・固定資産税・登録免許税など、住宅取得に関わる税制にいくつかの見直しが行われました。
今回は、初めてマイホームを購入される方向けに、特に押さえておきたいポイントを整理してご紹介します。
1. 住宅ローン控除が5年間延長(2030年入居分まで)
住宅ローン控除の適用期間が延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居した方が対象となります。
- 最大控除額は409.5万円(新築の長期優良住宅・低炭素住宅で、子育て世帯等の場合は455万円)
- 借入限度額は住宅の省エネ性能(ZEH水準省エネ住宅、認定長期優良住宅・低炭素住宅など)によって異なります
- 床面積要件は原則50㎡以上ですが、合計所得金額1,000万円以下の方や子育て世帯等は40㎡以上でも対象になります
一方で、2028年以降は住宅の省エネ性能に対する要件が厳しくなる方向です。2028年6月30日までに建築確認を受けた新築住宅には経過措置がありますが、それ以降は省エネ基準を満たさない新築住宅は控除の対象外となる見込みです。また、土砂災害等の「災害レッドゾーン」内の新築住宅(建て替えを除く)も対象外とされました(既存住宅・リフォームは引き続き対象です)。
2. 子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置
「19歳未満の子がいる世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」については、借入限度額の上乗せや床面積要件の緩和(40㎡以上)といった優遇が受けられます。判定は、居住した年の12月31日時点の状況で行われます。
3. その他の住宅に関する税制優遇
- 認定住宅等を新築した場合の所得税額の特別控除(3年延長)
- 既存住宅の耐震改修・省エネ改修・バリアフリー改修等に関するリフォーム減税(3年延長)
- マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除、および買換え時の長期譲渡所得の特例(2年延長)
4. 不動産取得税・固定資産税の「免税点」引き上げ
一定の評価額以下の不動産には、そもそも不動産取得税や固定資産税がかからない「免税点」という仕組みがあります。今回、この基準が引き上げられました。
- 不動産取得税(2026年度から):土地10万円→16万円、家屋(建築によるもの)23万円→66万円、その他12万円→34万円
- 固定資産税(2027年度から):家屋20万円→30万円、償却資産150万円→180万円(土地は変更なし)
5. 新築住宅の固定資産税の減額措置、5年間延長
新築住宅は一定期間、固定資産税が2分の1に減額される制度があり、この措置が5年間延長されました。
- 一般住宅:新築後3年間(マンション等は5年間)
- 認定長期優良住宅:新築後5年間(マンション等は7年間)
- 床面積要件は40㎡以上240㎡以下に緩和(改正前は50㎡以上280㎡以下)
- 適用期限は2031年3月31日まで
6. 不動産取得税の課税標準の特例措置
住宅用家屋を新築した場合、不動産取得税の課税標準から一定額を控除できる特例があります。この控除額が1,200万円から1,300万円に引き上げられ、5年間延長されました(2031年3月31日まで新築されたものが対象)。床面積要件も40㎡以上240㎡以下に緩和されています。
7. 登録免許税の軽減措置、3年延長(2029年3月31日まで)
司法書士として特に関わりの深いのが、この登録免許税の軽減措置です。土地や住宅の登記にかかる登録免許税について、軽減税率の適用が3年間延長されました。
- 土地売買による所有権移転登記:本則2.0%→軽減1.5%
- 住宅用家屋の所有権移転登記:本則2.0%→軽減0.3%(認定長期優良住宅は戸建て0.2%・マンション0.1%)
- 住宅用家屋の所有権保存登記:本則0.4%→軽減0.15%(認定長期優良住宅は0.10%)
- 住宅取得資金の貸し付け等に伴う抵当権設定登記:本則0.4%→軽減0.1%
軽減措置の適用には、住宅用家屋の所在地の市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」(床面積50㎡以上等の証明)を添付し、新築または取得後1年以内に登記を行う必要があります。要件や必要書類は個々のケースによって異なりますので、登記のご依頼の際に併せてご確認いただくのが確実です。
とはいえこの特例は、税率等小規模な見直しは行われたものの昭和時代から続いており、2029年4月以降も何らかの形で残るものと思われます。
まとめ
今回の改正は、省エネ性能の高い住宅や子育て世帯への支援を拡充する一方、将来的には省エネ基準を満たさない新築住宅への優遇が縮小していく方向性も示されています。マイホーム購入のタイミングや住宅性能の選び方によって、受けられる優遇の内容が変わってきますので、早めに全体像を把握しておくことが大切です。
特に登記に関わる登録免許税の軽減措置は、実際の売買・住宅ローンのお手続きの中で直接適用されるものです。所有権移転登記や抵当権設定登記など、住宅購入時の登記についてご不明な点がございましたら、セカンドオピニオンでも構わないのでお気軽に当事務所までご相談ください。一般にマイホームを購入する際、新築のマンションや大手不動産ディベロッパー開発の新築一戸建ては、それらの業者の指定の司法書士が、登記をします。中古住宅の場合は、仲介不動産会社又は銀行の指定の司法書士が担当することが多いです。繰り返しになりますが、住宅ローン控除など税額控除に関する具体的な計算やご申告については、税理士または税務署にご確認いただくことをお勧めいたします。
